仕事での「劣等感」、「人間関係のストレス」を劇的に改善させるヒント!!~その1~

【1】仕事に貴賎はない!?
一国の宰相と専業主婦の間には、職業としての差はない、というのがアドラーの立場。「私たちはそれぞれ役割を分担しているだけです」
アドラーは、人は『分業』という画期的な働き方を手に入れたのだと言っています。どんな仕事でもそうですが、分業によって成り立っています。社会もそうです。なくていい仕事はひとつもありません。
職場とは、お互いがそれぞれの役割を担い、協力し、貢献し合っている関係といえるのです。
【2】「能力がない」と落ち込んだとき
誰もが、「あのとき、ああすればよかった」「なんであんな日々を送ったのだろう」と思うことはあるでしょう。取り消せない失敗をすることだってあったでしょう。
けれども、そのとき感じた痛みをなしにしてしまうことはできません。
ただ、それぞれの出来事がもつ意味は変えることができます。
過去の経験を「良い」とか「悪い」で判断しなくていいのです。
過去の経験をこれからの自分にとって「良い」ものにすることが大事なのです。やはりダメな自分を受け入れがたいと思ってしまう人もいるかもしれません。
そんな人は、「自分の品位」を守ることを意識してみましょう。自分を尊ぶ心は、尊ぶ自分があってこそ高まるともいえます。
「自分の品位を下げない行動をする」ことは、尊ぶ自分でいるための行動でもあるのです。『働く人のためのアドラー心理学』(岩井俊憲/朝日新聞出版)より
ポイ捨てをしないなど、簡単なことでも十分に効果があります。ほんの少しの「品位を下げない行動」が自尊心を生み、「ありのままの自分」を受け入れやすくしてくれます。
【3】仕事で重要なこと
よく「仕事は何のためにするのでしょうか?」と聞かれますが、私は「他者貢献」であると答えています。
「幸せ」とは人の役に立ったと感じること、すなわち「貢献感」から生まれるものだからです。自分のしている仕事が誰かの役に立ったと思えるとき、頑張ろうという意欲が湧きますし、幸せを覚えるようになるのです。
どんな仕事であっても、必ず誰かの役に立っています。それに気づくことが大切です。
【4】仕事は信用!
アドラー心理学では、『仕事の関係とは〝信用〟の関係であり、交友の関係とは〝信頼〟の関係である』と規定しています。仕事の関係とは、利害の絡んだ条件付きの関係ですね。一方、交友関係は、利害に関係なく『好きだ!』という感情で結ばれた関係です。つまり、仕事では信頼は必ずしも必要ありません」
職場とは、お互いがそれぞれの役割を担い、協力し、貢献し合っている関係といえるのです。だって否が応にも、信用して協力し合わなければ、仕事は成立しないのですから
ポイントは、『能力』ではなく『態度』が重要だということです。
人は、その人のスキルの高さのみで相手を信用するのではなく、『この人と一緒に働きたい!』という感情を重視しています。スキルが高い嘘つきの人よりも、スキルがそこそこでも誠実な人を私たちは仕事仲間として選ぶのではないでしょうか。『能力=人間性』ではないのです」
他者と「分業」して働くためには、仲間を信用しなければならない。一方、この世で生きていくためには、友人を信頼する――どんな相手でも自分から尊敬しなければならない。
一、 仕事とは、互いに信用し合うことである
一、 仕事の中身ではなく態度で評価しよう
一、「能力=人間性」ではない。「態度」が重要
過去の失敗や他人の失敗を無理やり、今の自分の現実につなげて考えているのは自分でしかないのです。
実際、今まで「悲観的な妄想」をしたところで、本当にそのとおりの出来事に遭遇した人はどれだけいるでしょうか。
ここで大切なことは「最悪の事態は、まずない」と開き直ってしまうことです。
『働く人のためのアドラー心理学』(岩井俊憲/朝日新聞出版)より
まずは困難も楽観的に捉えること、そして建設的な方向を目指して、今の自分にできる精一杯のことをやれば、物事は良い方向へと進んで行くはずです。